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飲用井戸の衛生管理について
井戸水は地下水を使っているので、常に一定の水質であるわけではありません。
周辺の環境の変化によって影響を受けたり、また、施設の状態がよくないと汚染される可能性がありますので、日頃から井戸水の管理に注意しましょう。井戸水は水道と異なり、設備的に法的規制はありませんので、井戸の使用・管理は、所有者が自分自身の判断で行う必要があります。
※ 水道給水区域にお住まいの方については、飲み水には衛生的で安全な水道水をお薦めします。
1 定期的に水質検査をしましょう
- 色、濁り、におい、味などに異常がないか毎日確認しましょう。
- 専門の検査機関で、定期的に水質検査をしましょう。
(1)検査の種類と実施頻度
検査の種類 | 実施頻度 | 項 目 |
---|---|---|
定期検査 |
1年に1回以上 |
外観など、外部からの汚染の指標となるものなど(例えば、以下の一般項目) |
使用開始前検査 | 井戸を使い始める前 |
水道法に定める水質基準項目(51項目) 地下水は外部からの汚染だけでなく、地質等に由来する物質を含んでいることもあります。 |
臨時検査 | 必要に応じて | 外部からの汚染の恐れがある場合等で必要な項目について実施 |
【参考】
○一般項目
項目 | 水質基準 | 内容 |
---|---|---|
臭気 | 異常でないこと | ・臭気は、汚水の混入や地質などによって生じます。また、井戸水では、土やカビの臭いがすることがあります。下水や油、薬品の臭いがしたら要注意です |
味 | 異常でないこと |
・水の味は、水に溶けている物質の種類や濃度によって感じ方が異なってきます。 ・金属が多いとカナ気味の原因となり、無機塩類が多いと塩味がします。 |
色度 | 5度以下であること | ・水に色がつくのは、鉄、マンガンなどの地質によるもの、工場排水などの浸透によるものがあります。 |
濁度 | 2度以下であること | ・濁りは、主に土砂によるものですが種々の排水の混入などによる場合もあります。 |
pH値 | 5.8以上8.6以下であること |
・水の酸性・アルカリ性を数字で示します。 ・地下水のpHは、年間ほとんど変わらないので、その値が普段と比べて大きく変わったら、汚水等の混入の恐れがあります。 |
亜硝酸態窒素 | 0.04mg/L以下であること | ・人畜のし尿や汚水等によって汚染されている場合の指標となります。 |
硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 | 10mg/L以下であること | ・人畜のし尿や汚水等によって汚染されている場合の指標となります。 |
塩化物イオン | 200mg/L以下であること | ・塩化物イオンが高くなる原因は、海水の影響やし尿による汚染などがあります。 |
有機物 (全有機炭素の量) | 3mg/L以下であること | ・し尿や下水、工場排水などの汚水が混じると高くなります。 |
カルシウム・マグネシウム(硬度) | 300mg/L以下であること | ・硬度が高いと、石けんの泡立ちが悪くなったり、やかんに石灰がこびりついたりします。 |
鉄及びその化合物 | 0.3mg/L以下であること | ・鉄が多いと、カナ気味や赤い水の原因となり、白い洗濯物に汚れを生じたりします。 |
一般細菌 | 100個/mL以下であること | ・一般細菌というのは、いわゆる雑菌のことで、汚染された水ではその数が増えます。 |
大腸菌 | 検出されないこと | ・大腸菌が検出される場合(陽性)は、その水がふん便性病原菌を含む汚水等によって汚染されている可能性があります。 |
(2)検査の方法
井戸水の水質検査は、下関市衛生検査センターや水道法で定められた厚生労働大臣の登録を受けた民間の水質検査機関等で受けることができます。
詳細は、事前に各検査機関にお問い合わせください。
・下関市衛生検査センター(試験検査課) 電話:083-250-2111
※一般項目のみ
○近隣の水質検査機関
・(財)山口県予防保健協会食品環境検査センター(山口市) 電話:083-941-6300
・(学)香川学園宇部環境技術センター(宇部市) 電話:0836-32-0082
・(財)北九州生活科学センター(北九州市) 電話:093-881-8282
(3)水質基準に適合していない場合
水道法の水質基準に適合していない場合は、一旦利用を停止し、対策を講じる必要がありますので、生活衛生課生活衛生係(083-231-1540)までご相談ください。
水質を改善するには、原因を調べ、外部からの汚染を受けないよう施設の改善を行ったり、井戸の清掃、浄水器によるろ過、塩素系薬剤による消毒、または井戸の掘り換えを行うなどの適切な処置が必要です。これらの処置を行った上で、もう一度水質検査をしましょう。
2 井戸の管理
- 井戸やその周辺を清潔にしましょう。(蓋をするなど外部からの汚染がないようにしてください。)
- 関係のない人や、動物の侵入に注意しましょう。
- ポンプなどの設備を定期的に点検しましょう。