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長府苑(旧田中隆邸)
長府苑(旧田中隆邸)は、第一次世界大戦時に、海運業で財をなし、中国の革命家孫文に資金援助をしたことで知られる下関の豪商 田中隆氏が、大正14年(1925年)に築造したものです。
長府船渠株式会社を経て三菱重工業株式会社が所有し、これまで迎賓館として利用されてきました。
令和5年、三菱重工業株式会社が売却意向を示したため、城下町長府の歴史・文化と調和した街並み保全の観点から、市が取得しました。
現在、長府苑をどのように活用するのが良いか、管理・運営を検討しております。
基本情報
所在地 下関市長府黒門東町4 番
面積 16,636.52平方メートル
※ 現在は、イベント時以外入場できません。令和7年のイベントは、決まり次第ホームページに掲載します。
大手門
巨石を立てた大手門と、濠をしつらえた石垣が目を引きます。
大手門をくぐり玄関まで、150メートルほどの樹木のトンネルが続きます。
近代和風建築物
木造2階建
大正14年(1925年)建築
床面積 1階365.86平方メートル 2階36.62平方メートル 合計402.48平方メートル(不動産登記記録による)
西洋館跡
煉瓦造2階建地下1階 地上2階 延べ床面積210坪
大正7年(1918年)建設着手
イギリス人の建築家アレキサンダー・ネルソン・ハンセル設計。
宏壮な館は、大正中期、恐慌による経営悪化で、内装工事を残したまま中断。新築のまま廃屋となりました。
昭和55年に朽廃のため解体。
今では、ゴシック風のアーチ、瀟洒(しょうしゃ)なテラスなど一階周壁及び床面部分を残し、保存されています。
直木賞作家古川薫氏の小説「海と西洋館」の舞台となった建物です。
庭園
ヒマラヤスギなどの西洋の樹木も植栽されているのが特徴的な日本庭園。
他にも、ソテツ、マツ、クスノキなど、さまざまな木が、和風建築物や西洋館を引き立たせています。
中でも、大木のサクラとモミジは圧巻の迫力で、客間からも眺めることができます。