本文
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
たばこの煙などに含まれる有害物質を長年吸い込むことで、気管支の炎症や肺胞の破壊が起き、徐々に呼吸機能が低下していく肺の病気です。また、COPDは肺だけの病気ではなく、心疾患や脳疾患、骨粗鬆症、糖尿病など全身に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。
日本では、40歳以上の患者数は約530万人と推定されましたが、多くの人がCOPDであることを気づいていない、または正しく診断されておらず、大多数の患者さんが未受診・未診断のため治療を受けていないのが現状です。(一般社団法人GOLD日本委員会COPD情報サイト)<外部リンク>
COPDの主な原因は喫煙であることから、「たばこ病」ともいわれています。また、喫煙者への影響だけではなく、非喫煙者がたばこの煙にさらされてしまう「受動喫煙」により、非喫煙者にとってもCOPDの危険因子となります。たばこを吸う時は、周囲の方への配慮をお願いします。
初期は無症状で、ゆっくりと進行していきます。症状がみられる時はかなり進行していることが多いです。COPDが重症化すると、安静時でも息切れするようになり、日常生活を送るために酸素吸入器が必要となる場合もあります。
COPD集団スクリーニング質問票(COPD-PS)は、広く一般の人を対象として、COPDの可能性があるかどうかを簡単に調べることができます。設問数は5問と少ないため、簡単に自己採点ができます。合計点数が高いほどCOPDの可能性が高くなります。
合計点数が4点以上の場合、あなたの呼吸の問題はCOPDが原因かもしれないため、まずは早めにかかりつけ医に相談することをお勧めします。
こちらからダウンロードできます。COPD集団スクリーニング質問票 [PDFファイル/355KB]
たばこを吸い続けると呼吸機能はどんどん悪化していきます。一度悪化してしまった肺の機能は、完全に元の状態に戻すことは困難とされていますが、病気の進行を遅らせたり、和らげることはできます。COPDの予防と治療の基本は「禁煙」です。ご自身のためにも、周りの方のためにも、まずは一日でも早く禁煙しましょう!