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たばこには、約5,300種類の化学物質が含まれており、その中には70種類以上の発がん性物質が含まれています。
日本で、たばこを吸うことによる年間死亡者は、約13万人と報告されています。たばこを吸うと、がんをはじめ、循環器や呼吸器などの様々な病気を引き起こします。(参考:厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」)<外部リンク>
女性の喫煙による妊娠・出産への影響として、早産、低出生体重・胎児発育遅延などがあげられます。また、妊娠する能力が低下したり、子宮外妊娠、常位胎盤早期剥離などを引き起こす可能性があると指摘されています。さらに、妊婦本人がたばこを吸わなくても、周りの人が吸うことで、妊婦がたばこの煙にさらされてしまうと、妊婦や赤ちゃんに健康被害を及ぼします。妊婦だけではなく、家族や周りの人も禁煙することが大切です。
「二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止二関スル法律」に基づき、20歳未満の方の喫煙は禁じられています。民法改正により、2020年4月1日に成人年齢は18歳に引き下げられましたが、健康への悪影響やニコチン依存が考慮された結果、喫煙に関する年齢制限は、引き続き20歳とされています。
その1 健康への悪影響が大人より大きい!
20歳未満でたばこを吸い始めると、成人後にたばこをを吸い始めた場合に比べて、がんや虚血性心疾患などの危険性が高まることがわかっています。さらに、肺がんで死亡する危険性が吸わない人に比べて、5.5倍となっています。(参考:厚生労働省「Q未成年者の喫煙について」<外部リンク>)
その2 たばこがやめられなくなる!
脳が成長している途中であるため大人よりもニコチンに依存しやすく、やめたくてもやめにくくなります。たばこを吸い始めるきっかけは、好奇心や友人のすすめという些細な動機です。
さらに、一酸化炭素の影響で、脳や筋肉にも酸素が行き届かなくなるため、集中力や持久力が落ちて、勉強やスポーツなどの成績に影響がでます。自分のためにも、大切な人のためにも、誘われても勇気をもって断りましょう。
●山口県では、小学生用、中・高生用の喫煙防止教育用リーフレットを作成しています。ダウンロードしてお使いください。
〈小学生用〉
〈中・高生用〉
●厚生労働省では、中学生・高校生を対象とした望まない受動喫煙をなくすためのリーフレットを公開しています。ダウンロードしてお使いください。
厚生労働省〈なくそう!望まない受動喫煙。中学生・高校生向け参考資料〉<外部リンク>
たばこ葉を電子機器で加熱して蒸気を発生させ、ニコチンを吸い込むたばこ製品。たばこ葉を使用するため、たばこ事業法で定められる「たばこ製品」として位置づけられています。加熱式たばこは、ニコチン以外の有害物質の量は紙巻きたばこよりもやや少ないと報告されていますが、長期使用に伴う健康影響は明らかになっておらず、悪影響を及ぼす可能性が否定できないと考えられています。
たばこ葉を使用せず、装置内もしくは専用カートリッジ内の液体を電子加熱し、発生するエアロゾル(霧状の粒子)を吸い込むものです。たばこ葉を使用しないため、電子たばこは「たばこ類似製品」とされており、規制の対象とはなっていませんが、発がん性物質などを発生するものがあると報告されており、ニコチンの有無にかかわらず、健康影響に心配があると考えられています。また、加熱式たばこと見分けが難しく、周囲の誤解を招くおそれがあるため、禁煙場所での使用は避けることをおすすめします。
たばこの煙には、喫煙者が吸う「主流煙」、たばこから立ちのぼる「副流煙」があります。自分でたばこを吸わなくても、たばこを吸っている人の煙を吸わされてしまうことを「受動喫煙」といいます。副流煙には、主流煙よりもたくさんの有害物質が含まれています!
受動喫煙が原因で、年間約15,000人が死亡している(肺がん、虚血性心疾患、および脳卒中による死亡)と推測されており、健康被害は深刻です。(参考:厚生労働省「喫煙と健康 喫煙の健康影響に関する検討会報告書」)<外部リンク>
たばこを消した後に残留する化学物質を吸入することを「三次喫煙」といいます。たばこ由来のニコチンや化学物質は、喫煙者の髪、衣類、ソファ、カーペットカーテンなどの表面に付着して残留することが知られています。部屋で過ごすことの多い乳幼児などでは三次喫煙による影響が心配です。
受動喫煙をなくすためには、禁煙することが最善の選択です。
屋外や自宅でたばこを吸う際は、健康増進法上、望まない受動喫煙をが生じることがないように周囲の人に配慮しなければならないという配慮義務があります。
「屋外における受動喫煙防止に関する日本禁煙学会の見解と提言」(平成18年3月)によると、無風という理想状態下で、ひとつの喫煙者によるタバコ煙の到達範囲は直径14メートルの円周内であるとされています。ベランダや庭等でも、たばこの煙が近所の人の迷惑になっている可能性があります。たばこを吸う時は、プライベートの空間でも周囲への配慮をお願いします。
禁煙を始めて、20分後から効果が現れます。禁煙をして、健康を取り戻しましょう!
たばこに含まれるニコチンには依存性があるため、禁煙したいと思ってもなかなかやめられない原因の一つとなっています。このテストは、全10問の質問で構成され、「はい」と答えると1点、「いいえ」と答えると0点です。5点以上が「ニコチン依存症」と診断されます。
e-ヘルスネット〈TDSニコチン依存度テスト〉<外部リンク>
禁煙の離脱症状は、禁煙開始から2~3日をピークに10日から2週間程度続きますが、禁煙補助薬を利用することで、比較的楽に禁煙できるようになります。
※バレニクリンは、2021年6月から出荷停止が続いています。
禁煙を希望されている方で、一定の基準※の診療が行われます。禁煙治療では、薬を使うだけではなく、専門の医療者から禁煙アドバイスをもらえるため、より楽に確実に禁煙できます。
※4つの条件を満たしている必要があります。
山口県内の禁煙外来は健康やまぐちサポートステーション〈県内の禁煙外来医療機関の一覧〉<外部リンク>からご確認できます。
禁煙外来の実施状況は変化することがありますので、受診をご希望の際には、事前に医療機関にお問い合わせください。
下関市では、健康づくりの専門家が無料で出向き、ご要望に合わせた講座を行っています。ぜひご利用ください!